店販コラム「美容室 店販の参考書」

【「シャワーヘッド」と「ドライヤー」は買って損しない】というトーク

146 ページ「 「値段が高い」になんて答える? 」より

2014年の冬、22500円のドライヤーを400台と、23800円の美顔ローラーを300台ほど販売するお手伝いをしました。

2015年の夏、22800円のシャワーヘッドを300台ほど販売するお手伝いをしました。

2015年の冬、12000円の美顔ローラーを1000台ほど販売するお手伝いをしました。

いずれも相当な売り上げを獲得することに成功しました。

2016年も高額アイテムをいくつか仕掛けていく予定です。

実際の販売期間中、お断りされる理由を教えて戴きました。(貴重な研究材料となります)

やはり多かったのが高額商品の宿命である「高い」というお断り文句です。また、「必要性を感じない、今使っているもので十分」。というお断り文句も多かったです。

「シャワーヘッド」に関しては、「主人(家族)と相談してみないと買えない」というお断り文句も結構ありました。このお断り文句は、一定金額を超える「共用家電製品」などを購入する際によく使われる言葉です。

私はお客様の「買わない理由」を耳にすると、まずは一人ロープレで検証します。

自分がその場面にいたらなんと答えるか?イメージトレーニングを重ねます。その後、自らいろんな人に直接売り込んでみます。自らもエンドユーザーに売り込んでみることで臨場感をつかみ、美容師さんと同じ土俵に立つことができます。更に、こういう断り文句を言う場合の真の理由は何だと思う?と、インタビューも重ねます。

やがて「シャワーヘッド」に関しては、明確に対抗するトークを思い付きました。これは「美顔器」には使えないトークです。従いまして、何にでも通用するトークではないという事を前提に読み進めてください。(ドライヤーには応用可能です)

私が気付いたトークポイントとは、「ライフサイクル」に組み込まれているアイテムと、そうでないアイテムでは、買った後の使用頻度に大きな違いが出る。というものです。

簡単に言ってしまうと、「シャワーヘッド」と「ドライヤー」に関しては購入後、毎日必ず使用するものです。また、家族全員で共用するものです。(カールアイロン等を除く)

エステ機器のように、購入者ご本人のみが楽しむアイテム。買ってみたは良いがその後ほとんど使うことが無かったアイテム。という確率はほぼゼロに等しいと考えたのです。

という事は・・・購入後もっとも使用する頻度が高いビューティアイテムとは、「シャワーヘッド」と「ドライヤー」だ。という結論にたどり着いたのでした。

「シャワーヘッド」と「ドライヤー」は購入後、家族全員が毎日使用し、「効果を体感し続ける恩恵」を得ることになります。これは、「購入金額」÷「使用頻度」=「お買い得感」という公式で考えると、もっとも買って損しないアイテムの一つだと考えられるのです。

私の中でこの公式が確立して以降、「高い」というお客様のお断り文句に対し、ちょっと考えてみていただけますか?というご案内が可能になったのです。

ベタな例で恐縮ですが、23800円の「シャワーヘッド」を365日間使用すると1日当たりのコストはいくらでしょうか?⇒「65円」です。家族4人で使用した場合の1人当たりのコストは⇒「16円」です。これが2年目になるとそれぞれ「32円」、「4円」、3年目になると・・・という計算が成り立ちます。しかも、「効果を体感し続ける恩恵」を得ながら・・・です。

更に付け加えますと、今どきの「シャワーヘッド」には「節水効果」が標準装備されています。1年間の節水効果が仮に6000円(月500円)だとすると、4年で24000円の節約が叶います。つまり、節水で浮いたお金で「シャワーヘッド」を購入することが出来ます。何度も言いますが、「効果を体感し続ける恩恵」を得ながら・・・です。

これらをお客様に言う、言わないは別として、その商品に合ったご提案トークというものが様々な形で存在し、これらを「言葉の技術力」と私は呼んでいます。

その商品の良さや、「購入するメリット」をどうしたらお客様により分かっていただけるか?「言葉の技術力」を、努力目標に加えて戴きたいと切に願います。