店販コラム「美容室 店販の参考書」

匿名希望 Aさん(アシスタント・女性)からのご相談

156 ページ「 あなたの人格が否定されているんじゃ無い 」より

Q 私は普段から接客の時まで言葉にイントネーションが無いと言われました。反応が薄いとか・・・自分では「本当に凄い!」って思って口に出しても・・・相手には「ホンマに思ってるん?」と言われてしまう事が多いです。今後、接客していく中でこれは直さないといけない大事な事だと思ったので相談しました。アドバイスよろしくお願いします。

 

<佐藤からアドバイス>

このご相談内容を放置しておくと、今後もあらゆる場面で苦労をし続けると思います。だって「本当は凄いって」思っているのに、お客様から見たら「私」や「私の話し」に関心が無いと誤解を受けるわけですよね。

このままでは非常に残念ですがAさんへの好感が増すことはまず難しいでしょう。従って店販を買ってくれたり、指名を受けることも極端に難しくなることが想定されます。

時に、相手はそれが「真実」かどうかよりも・・・「単純にそのように感じてしまった」ということだけで、感情が支配されてしまうことがあります。

従って「私の話に関心が無い」と思われてしまったと言う事は、好感を抱く感情のベースが低くなってしまったという事です。

相手にそのように感じさせてしまったのは、基本的にこちら側の問題となる場合が多いです。(もちろん違う場合もありますが、複数の人に言われる場合はまず自分側の問題です)

極端な例をあげるならば、「パンチパーマに色つきサングラス、おまけに腕から刺青」が見えている男性が、「俺の周りには何故か人が集まってこない・・・」と、悩んでいたとしたらどうでしょうか?

「その筋」の方でもなく、ただ単にそういうファッションが好きなだけだったとしても・・・相手にその真実を見極めて欲しいと期待するのは不可能です。

相手には好きなように感じてよいという自由があるので、真実がどうであれ、誤解を受けたり、好感を得てもらえなかった場合、こちら側が一方的に努力を始めるしかありません。

では、努力の仕方をアドバイスします。

実はとっても簡単な事なんです。

舞台女優のように、何事も「わざとらしく」振舞うのです。

アクションを大きくする事で簡単にそのようになります。

自分では「しらじらしい」、「わざとらしい」と思うかもしれませんが、

相手から見たら、恐らくはそのくらいでちょうど良いと私は睨んでいます。

 

普段から誤解を受けていない方が「わざとらしく」振舞うのは気持が悪いですが、アクションが小さ過ぎて誤解を受けている方々には、むしろ誰にでも分かるように大きく表現して欲しいという訳です。

大体こういうアドバイスが必要な方々は、今までも周りに「わざとらしい」振るまいをしている人がいて、「わざとらしくて嫌だなぁ」と思ったこともあるのではないでしょうか?

ですが「プレゼント」をあげたり、「お年玉」をあげたり、「お祝い」をした時、

わざとらしかろうが何だろうが、「喜びを全力で表現される」と、

「やって良かった・・・」次もまたなんかしてあげたいと素直に思うものです。

そうなんです!「相手が期待しているアクションで応えてあげること」。

実はこれも相手に対する優しさの一部であり、最高の接客の一つなのです。

お客様は自分の話をまるで「芸人さんの話し」を聞いているかのように、楽しんで聞いてくれる美容師さんに好感を抱かないわけはありません。

人間関係は、「好き」→「信頼」→「尊敬」へと発展していきます。

「尊敬」する美容師さんの提案は無条件に受け入れます。また、信頼する美容師さんの提案は容易に受け入れてくれます。そして、好きな美容師さんの提案は受け入れようと努力をしてくれます。

ですから是非とも表現の仕方を努力してみてください。

始めは自分的に受け入れ難い違和感を感じてしまいますが段々に慣れて馴染んできます。そして、気がつけば二度とこういう誤解を受けなくなるAさんが誕生するでしょう。

最後に、この問題がとっても深くて大事なテーマの一つだと気がつくAさんの感性は優れていると思います。

「そう思ってないのに・・・そう思われるという誤解」すら、

相手の問題ではなく、自分の問題であると捉えると努力が始められます。