店販コラム「美容室 店販の参考書」

店販と親友になる極意!!

163 ページ「 美容師さんは押し売りしてる!? 」より

「お薦めさせていただく自由をいただく変わりに、お断りする(購入を見送る)自由をお客様に与えること」

美容師という職業人は「断られる」に異常な恐怖観念を抱いている場合が多いと思います。

美容室における商品の販売とは、あくまでも美容師側からのご提案から始まるわけで、この提案をお客様が受け入れてくれれば「購入&使用」に至り、受け入れてくれなければ「今回は見送り」となります。
※断られるというよりは、今回は「見送り」と表現することが好ましい

ご提案すれば、「受け入れる方」・「受け入れない方」が発生するのは当然ですが、美容師の中でも断られることに異常な恐怖をもたれる方は、この「受け入れない方」を許さないのです。

あたかも、お客様があなたの「全人格」を否定したかのような受け止め方をします。
つまり、勝手に薦めておきながら、断ることを許さない人です。

こういう販売スタンスを世の中では「押し売り」と呼びます。
私は、商品販売を「押し売り」と理解しているスタッフに出会うと、一生懸命にそのプログラムを変える努力をします。

お客様は、「商品なんか薦められたくないはずだ!」

と勝手に決め付けている人に限って、実際にやっていることは「押し売り」になっている場合が多いのです。

「押し売り」はお客様も絶対にされたくないので、一生懸命断ります。
しかし、それは「商品を薦められるのが嫌なわけではなく、押し売りをされるのが嫌」なだけですから決して勘違いをしないようにして欲しいものです。

最後になりますが、美容師さんにとって好ましい販売とは、「どのようにして売るか!」では無く、「どのように触れ合えば、欲しくなってくれるのか!」「必要と感じてくれるのか?」という答えを見つけ出すことだと私は思っております。