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アシスタントの成長に店販は絶対必需
86 ページ「 アシスタントの提案方法 伝言アプローチ 」より
「会社」・「店舗」に所属する者として、身に着けなければならない能力は大きく分けて二つあります。
一つ目は「従事する職業を全うし得る能力」、美容師さんであれば、美容技術や接客技術の研鑽(勉強し・努力する)を意味します。
二つ目は、在籍する会社、集団の中で「組織に貢献する能力」です。組織が行おうとする様々な取り組みに対し、協力的姿勢を表現し、実際に協力していく能力です。
「美容師」として身につけなければならない能力も大きく分けて二つあります。
一つ目は言うまでも無く「技術力(デザイン力)」です。
二つ目は「営業力」です。
「営業力」とは広い意味を持ちますが、ここではより具体的に、「コミュニケーション能力(対人関係調整能力)」と「販売力・提案力」を挙げておきたいと思います。
「技術力」は各サロンが独自の技術育成カリキュラムを持っていて、先輩が指導したり、幹部がテストしたり、メーカー各社の勉強会や技術コンテストを活用するなど、育てていく工程が明確になっているように私は感じます。
しっかりとした教育の仕組みとシステムが機能している業界です。
しかし、「営業力」に関して言えば、そのような教育の仕組みとシステムが機能している業界には思えません。その結果どのような弊害が生まれるか一緒に考えて見ていただきたいと思います。
「技術」をしっかりと習得し、いよいよ「スタイリストデビュー」した美容師さんがいたとします。しかし、アシスタント時代、店販やメニュー提案などを避けて通り、技術一辺倒で来てしまったため「コミュニケーション能力(対人関係調整能力)」と「販売力・提案力」が著しく劣っています。
このスタイリストは、果たしてトップスタイリストになるような大活躍が出来るでしょうか?
私は難しいと考えています。
やはりお客様は「技術力」×「営業力」(この中には人柄も入りますが)の総合ポイントで優劣を決めるケースが多いように思います。
となると、「コミュニケーション能力(対人関係調整能力)」と「販売力・提案力」が著しく劣る、「相当なる技術力を持つ」美容師さんは活躍しにくい可能性が高い。と結論付けられます。
ですから、私は幹部の皆様には、
「部下がスタイリストになった瞬間、その技術力を支えられるような営業力を身につけさせる為に、アシスタントの段階で「店販」をガンガンやらせてください」とお願いします。店販は「実践教育」の一貫になりうるのです。
また、アシスタントの皆様には、
「自分が将来スタイリストになった時に、大活躍したいと考えるならば「技術力(デザイン力)」と「コミュニケーション能力(対人関係調整能力)」と「販売力・提案力」を磨くべきです。そのためには、アシスタント時代からガンガン店販に取り組んでおくべきです。とお伝えします。
「髪質の改善」や「質感向上」は「スタイリスト」の仕事ではなく、「美容師」の仕事です。つまりアシスタントであってもこれらの仕事はプロとして圧倒的な「知識を持つ」ことも、「施術を施す」ことも、「指導する」ことも可能なのです。
デパートの化粧品売り場には若い店員さんもたくさんいて、多くのお客様に肌のお手入れ方法をアドバイスしています。これに負けないで欲しいと思います。
今後、若手の美容師さんが堂々たる態度で「髪の質感向上」に貢献する姿を期待したいと思います。
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