店販コラム「美容室 店販の参考書」

「美容師は“物売り”ではない」という言葉に意味はあるか?

163 ページ「 美容師さんは押し売りしてる!? 」より

実売価格で7万円もする「超高級電子ジャー」は、相当売れている様子です。
では、こういった商品を販売している例えば「タイガー」や「象印」の営業マンは、「物売り」なのでしょうか?是非とも考えて戴きたいと思います。

「儲ける」ためにこのような炊飯器を「開発セクション」は創り、「儲ける」ために、「広告セクション」はメディアに訴えかけ、「儲ける」ために、「営業セクション」は売り歩いているのでしょうか?

私は絶対に違うと思います。

企業も個人も「理念」の無い、「公共の利益」の無い、「利用者や購入者の利益」の無い「関わる方のハッピー」の無い「物」や「サービス」を、ただ自分たちの利益の為に売り歩くことは善意が許さないと信じたいと思います。
(もちろん一部詐欺集団や悪徳商法に従事する輩がいることは理解してます)

では、炊飯器を販売する営業は何を売り歩くのでしょうか?

各社のホームページを見て私なりに抜粋すれば少なくとも以下のような「理念」、「公共の利益」、「利用者や購入者の利益」、「関わる方のハッピー」が挙げられます。

  1. 「日本人が主食としているお米」、「もっとも口にする機会の多い食材であるお米」を、もっともっと美味しく食べて戴きたい
  2. 「美味しいお米」を食べることで、毎日の食事を楽しんで戴きたい
  3. 「日本の主食」の美味しさを見直して戴き、生産する農家の皆さんにも喜んでもらいたい
  4. 「炊きたて」が美味しいのはもちろんだけど、「保温」のお米だって美味しく食べて戴きたい
  5. 「お米の炊き上がり」をたくさんのバリエーションで実現し、様々な用途で美味しく召し上がって戴きたい
  6. 「炊飯時」の消費電力を極力控えさせたい




更に、「安売り」の代表的存在である100円ショップの「ダイソー」は、

「安く」、「商品を売る」、「物売り」なのでしょうか?

ホームページを見ると、かつては「100円で買える宝探し」というイメージを大切にしていたようです。そして、今は「日常に必要な商品がすべて100円で揃うバラエティストア」へ進化を遂げようとしています。

このように、成功している多くの優良企業を調べてみましたが「物を売っている」様子はありませんでした。逆に言えば、「物を売っている」人や会社はうまくいっていません。

これらを踏まえ、美容師さんは同じような感覚でご自分達はどのような「理念」、「公共の利益」、「利用者や購入者の利益」、「関わる方のハッピー」を「店販」を通じてクリエイトできるのか考えて見て欲しいです。

私はお客様の「ベスト・オブ・マイセルフ」、「他の誰との比較でも無く、私として一番気にいって、可愛らしくて、若々しくて、キレイなデザインと髪質」を提供する美容業界が大好きです。

女性が一人「キレイ」になると、その方自身が「前向き」になり、「明るく」なり、「積極的」になり、「優しく」なり、「華やかになり」、その結果、その家族も、その方を好ましいと思う全ての方もみんなハッピーになり、「どこかに出かけたくなり」たくさんの消費も生まれ、公共が潤い、いいことずくめだと思います。

「店販」は物売りではありません。

「キレイ」を作るための道具です。そしてその「道具」を手に入れた結果、最も利益を味わうのは、それを購入したお客様自身なのです。